サンリブの挑戦 サラリーマンではなく商人を育てる 商品部営業企画部FC・飲食事業部部長 迫田健一 サンリブの挑戦 サラリーマンではなく商人を育てる 商品部営業企画部FC・飲食事業部部長 迫田健一
(撮影日時点)

商人を育てる

サンリブは創業75周年を迎え、いよいよ100周年が見えてきました。
この25年でより多くのお客様に喜んでもらえる企業へと
成長していくことが一番重要だと考えています。
これからも力強く成長していくためにも、
合理的に数字に強いビジネス教育だけでなく、
「人の力で売上を上げていく」をモットーとした商人を育てていきます。
サンリブの経営理念にある総員経営。
全員で知恵を出し、工夫していく。
創業以来培ってきたこの精神で、
様々な価値観が変わろうとしている今だからこそ、
原点回帰が重要であり、人の力でさらなる成長が必要なのです。

社員がこぞって利用するお店

企業が存続していくためには、常に次世代で活躍できる人材を育成することが重要となってきます。サンリブにはどのような育成環境がありますか?

私はこれまで家庭用品雑貨や電器部門、旅行部門、食品部門など多くを経験させて頂いてきました。属したどの部門でも共通しているのは「いかに全員で取り組んでいくか」ということでした。モノを売っているので“数字”は絶対ではありますが、数字の達成感以上に全員で取り組んでいく事、目標達成する事に喜びを感じる従業員さんも多いと感じました。これは今も昔も変わらない文化ではないかと思います。この文化の先には常に先輩たちがこの雰囲気をリードしてくれて、形成されてきたと思います。私の年次でも業務の中で不安に感じることは多くあります。不安がいっぱいの中ではパフォーマンスを十分に発揮することはできません。新入社員やパートタイマーの皆さんであれば尚更だと思います。その不安をなくす方法って、個別の対話であったりミーティングなどでコミュニケーションを重ねることだと思います。ビジネス的に言えば無駄なミーティングは減らして、マニュアル化を進めることで効率アップできるという考えもあるかもしれません。しかし、それだけでは不安を持ったままの仕事になり、創意工夫しようという意識を持って仕事に取り組むことは難しいと思います。個別の対話があり、コミュニケーションが取れることで、安心感が得られ、一人ひとりが余裕を持って業務できることは大切な育成環境だと思います。お客様を大切にすることは当然ですが、サンリブの経営理念には「人間尊重」という言葉があり、「社員間はもとより、お得意様に対しても人の和をまず第一とすること」とあります。昔ながらの考えと言えばそうなのかもしれませんが、私はこの理念こそ現代のデジタル社会に必要な、引き継がれるべき文化だと思っています。すべてを数字だけで管理するよりも、泥臭く人と人のつながりを大切にする社員こそ必要だと思っています。

そんな育成環境のあるサンリブで迫田さんはどのように成長してきたと思いますか?

電器部門にいた時ですが、地域一番店であるために『温かくて、身近で気軽にお買い物ができるような接客』が一番だと思い多くのお客様と接してきました。しかし、近くに大型の安売家電量販店ができると、お客様が激減してしまったんです。友達と呼べるお客様をつくって、安定した売上を上げていく事を理想として、一人ひとりのお客様との人間関係を着実に築いていたはずなのに、安い店ができるとそこにたくさんのお客様が流れてしまったんです。今まで自分がやっていたことは間違いだったのかとも感じました。それでも、お客様と人間関係を築けるかどうかは大事ですし、雰囲気の良い店舗づくりはもちろん大切です。しかし、それらと同じくらい競合店を意識したお店づくりというのは重要なんだと強く気づかされる事になりました。それを踏まえ、品揃えも環境も接客も過去に捕らわれない「自分たちならではの店づくり」をしていくことが、「近所のスーパーマーケット」に大切な事だと思っています。

“自分たちならではの店づくり”というのはどのようにつくられていくのでしょうか?

価格や接客だけではその一歩先の『自分たちならでは』を表現するのは難しいと思います。またコスト管理という考えだけでなく、お店に来てくれているお客様がどんな顔で買い物しているのか、ワクワクしているか、そういった部分は数字では見えにくい部分です。常にお客様を見て仕事をするという点では商人気質が重要だと思います。それと同時に、従業員やパートタイマーの皆さんたちが“使いたくなるお店”にしていくことも大事な要素だと考えています。時代の流れ、効率性という一言で、ものごとの取り組みを決めたり、簡素化していくのではなくて、多少の面倒くさい部分でも「これって嬉しいよね」と自分たちが思うサービスは続けるべきだと思います。自分たちが使いたくなるお店であることは「まごころあるお店」につながります。そういったお店にしていくことが理想ですね。その理想を追い求めていくことが私たちの仕事でもあります。社員、パートタイマー、アルバイトすべての従業員も、もっと言えば年齢も役職も関係なく自分たちの感じる事を活発に意見できる環境が必要なんだと思います。

創業100周年へ向けてチャレンジしていきたいことはありますか?

年齢的に100周年の時には会社にいないかもしれません(笑)でもこの長い歴史の中で自分が取り組んできたことがその一つになると思えば、今もこれからも楽しみですね。もちろん、今までやってきた事は小さい事ですが、そう考えれば価値のあるもののように見えてきます。今私がやっていけることは、やっぱり次の世代の方たちが活躍できる働きやすい環境を少しでもつくってあげることかなと思っています。

今から入社される方々は、サンリブが100年を迎える時には主力選手になるんですよね。その時も今と変わらずに人と人のつながりを大切にする会社かどうかは、私たちがつながりを大切にしているかどうかで決まると思います。サンリブの経営理念にある「人間尊重」という、人を大事にする文化をこれからも継承させていきたいですね。